「悲願のJリーグ」に向け、新スタジアム2案

  • 富双緑地公園(四日市市)案のイメージ図
    富双緑地公園(四日市市)案のイメージ図

 三重県内からJリーグのチームを誕生させようと、サッカー関係者や行政などで作る準備会議が、Jリーグへの昇格条件を満たす新たなスタジアムを県内で整備する案をまとめた。

 四日市市か菰野町に収容人数5000~1万5000人規模のスタジアム建設を構想している。3チームがJリーグ昇格を目指す県内で、「悲願のJリーグ」に向けた動きが一歩前進した。

 県内では日本フットボールリーグ(JFL)の「ヴィアティン三重」(桑名市)、東海社会人リーグ1部の「鈴鹿アンリミテッドFC」(鈴鹿市)、「FC ISE―SHIMA」(志摩市)がJリーグ昇格を目指して活動している。

 ヴィアティンがJFLに昇格したのは2016年。上位に入り、Jリーグの最下位ランク・J3との入れ替え戦で勝てば、昇格資格を得られる。ただ、Jリーグのクラブチームに認定されるにはJ3で5000人規模、J1で1万5000人規模のホームスタジアムなど、施設面の要件も満たす必要がある。県内で要件に合うサッカー場はなく、どのチームが成績面で昇格条件を満たしてもJリーグのクラブとして認定されない。

 全国でJリーグのチームがないのは、青森や和歌山、奈良など9県。このうち三重県は人口、県民所得ともに最多(14年集計)で、Jリーガーも多く輩出。地元のJリーグチーム誕生が県内のサッカーファンや関係者の悲願となっている。

 県サッカー協会や企業、県などは昨年9月、スタジアム整備準備会議を設立し、具体的な整備案を検討。人口分布や都市部からの交通手段を考慮し、県北部で10か所の候補地を選んだ。駅やインターチェンジからの距離、開発上の制限なども検討し、四日市市臨海部の「富双緑地公園」、菰野町の複合リゾート施設「アクアイグニス」に隣接する空き地の2か所に絞った。

 菰野町の場合、豊富な温泉資源を活用し、足湯を備えたVIP席や温泉食材などを提供する国内初のリゾート型スタジアムを想定している。

 同協会の岩間弘会長(第三銀行頭取)は12日、鈴木英敬知事に新スタジアム案を報告。「最短で3、4年での完成を目指したい」と意気込んだ。一方、「20億~百数十億円の資金調達が必要。民間だけでは限界があり、行政の支援を得るためにも県民の理解と応援は不可欠」と強調。今夏頃までに、クラブチームも含めた県民推進会議を発足させ、実現に向けた議論を加速させる方針を示した。

 報告書を受け取った鈴木知事は「県からJリーグチームを生む絶好のタイミング。オール三重の理念で官民一体で取り組みたい」と応じた。

  • アクアイグニス(菰野町)隣接地案のイメージ図
    アクアイグニス(菰野町)隣接地案のイメージ図