お化け屋敷 何かが起きる

ストーリー性持たせ 怖さ倍増

 あつ~い夏の遊園地で人気なのが、背筋せすじこおるようなお化け屋敷やしき。入りたくないけど、入りたい。人々ひとびと恐怖心きょうふしんをあおりつつ、こわいもの見たさを刺激しげきするその舞台裏ぶたいうらについて、お化け屋敷の演出えんしゅつを手がける“お化け屋敷プロデューサー”の五味弘文ごみひろふみさん(59)に取材しゅざいしました。

ポストから手が

  • 「実は、自分自身はすごく怖がりなんです」と話す五味さん
    「実は、自分自身はすごく怖がりなんです」と話す五味さん

 まずは、五味さんが演出を手がけた東京ドームシティアトラクションズ(東京都文京区)にある「地獄じごくへの手紙」(すでに終了)を体験たいけんしました。

 「地獄にいる母親を助けるために、その子どもが書いた手紙をとどける」という物語を紹介しょうかいする動画を見てから、係の人から「赤い郵便ゆうびんポストに着くまで絶対ぜったいに開けてはいけません」と手紙をわたされました。

 中に入ると、牢屋ろうやの中にたくさんのミイラのような人形や、赤ちゃんをおんぶした母親の人形がかれています。道はせまく、そのすぐそばを通らなければなりません。なんとか郵便ポストに到着とうちゃくして、勇気を出して手紙を入れると、中から人の手が。恐怖きょうふのあまり絶叫ぜっきょうしてしまいました。

 体験を終えてから、五味さんに取材しました。お客さんに手紙を持たせた意図について、「ミッションを与えることで、ストーリーに入り込み、怖さが倍増ばいぞうするんです」と説明せつめいします。「世界観せかいかん理解りかいしてほしいので、序盤じょばんはあえて動かさない」というねらい通り、人形が動きそうで動かないので、その苦しみにちた表情ひょうじょうをじっくり見てしまい、じわじわと恐怖心が。

 「緊張きんちょうを高めておいて、恐怖が最高潮さいこうちょうたっした時に何かが起こる仕掛しかけにしています」と五味さん。ドアを開けさせるなど、アクションを取らせることで、「このあと何かが起きる」と思わせるのがポイントだそう。

 しかし、お客さんは怖がりすぎても楽しめません。お化けはサッと出てきてすぐいなくなるなど、引きぎわも大事だそうです。出口を出ると、不思議ふしぎ爽快感そうかいかんつつまれました。「恐怖で泣くのではなく、怖かったけどおもしろかったと言ってもらえるお化け屋敷にするよう心がけています」

 五味さんがお化け屋敷の演出を手がけるようになったのは25年前のこと。子供向けのお化け屋敷が主流だった時代に「大人向けのものを」と、ストーリーせいを持たせたところ大ヒット。以後いご、お客さんに赤んぼうの人形を抱かせたり、くついで歩かせたりと、様々さまざまな演出を生み出してきました。五味さんは、子どものころからお化け屋敷が大好きで、夏休みになると自宅にお化け屋敷を作って、友達ともだち親戚しんせきまねいてはおどろかせていたそうです。

思い切り悲鳴を

 最後さいごに、お化け屋敷を楽しむコツを教えてくれました。「自分より怖がりな人と入ると、客観的きゃっかんてきになれるので怖さがうすれますよ。あと、思い切り悲鳴ひめいを上げるのが一番です」。今年の夏はお化け屋敷で思いっきりさけんで、暑さをばしてみませんか?(高1・関慶志せきけいし井上いのうえみつき、中2・安田花やすだはな、小6・大森陸おおもりりく記者)

 五味さんがプロデュースする最新作「恐怖の首すじ理髪店」は15日から東京ドームシティアトラクションズで始まります。