宅配便 好きな所で受け取り

スマホで指定、屋外も可能

 ネット通販つうはん拡大かくだいなどで、人手不足になや宅配たくはい業界。この問題を解決かいけつし、同時に受け取るがわ利便性りべんせいも高めようというこころみが始まっています。「ロボネコヤマト」プロジェクトは、いわば「動く宅配ロッカー」。その仕組みやねらいを、実用実験じっけんの始まった神奈川県かながわけん藤沢市ふじさわし取材しゅざいしました。

実用実験「ロボネコヤマト」

  • 保管ボックスは全部で8個。温度調節もできるので、冷蔵や冷凍にも対応している
    保管ボックスは全部で8個。温度調節もできるので、冷蔵や冷凍にも対応している

 宅配大手のヤマト運輸うんゆとIT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)によるこのプロジェクトでは、鵠沼くげぬま海岸など同市の一部地域ちいきで、宅配便びんなどの新しい受け取り方を検証けんしょうする二つのサービスを行っています。

 「ロボネコデリバリー」は、利用者がインターネットで指定した場所に、荷物の入った保管ほかんボックスをんだ車に来てもらい、自分で荷物を受け取るサービスです。車内にある画面を操作そうさして暗証あんしょう番号を入力するか、QRコードをかざすと、自分の荷物が入っている保管ボックスのかぎが自動で開き、中の物を取り出せる仕組みです。受け取り場所は家の前だけでなく、公園やお店の前など自由に選択せんたくでき、午前8時から午後9時までの対象たいしょう時間内で、10分きざみで指定できます。

 これまで、宅配便を受け取る人は、比較的ひかくてき自宅にいる時間の長い主婦しゅふやお年寄としよりが多かったのですが、ネット通販の拡大で、学生やはたらいている人の利用がえました。日中不在ふざいにしている人が多く、荷物の受けわたしがむずかしくなっています。ヤマト運輸の畠山和生はたけやまかずおさんは、「ロッカーやコンビニなど、受け取り方の選択肢せんたくしは増えています。新たな受け取り方として、このサービスの実験を始めました」と話していました。

 実験対象エリアでは、全部で3台の専用せんよう配送車が走っています。環境かんきょう配慮はいりょし、電気自動車が使われています。利用者からは、「宅配される時間が分かっているので、1日のスケジュールがたてやすい」と好評こうひょうだそう。荷物の配達はいたつだけでなく、地元商店の商品をインターネット上で購入こうにゅうし、運んでもらう、買い物代行サービスも提供ていきょうされています。

 人材不足の解消にも効果こうかが期待されています。現在げんざい、ヤマト運輸の配達員は、30~40代の男性が主力。効率的こうりつてきな配送ルートを考えたり、重い荷物を運んだりと、経験けいけんと体力が必要ひつようです。ですが、実験の方式なら、カーナビにしたがって指定された場所に向かうだけで、重い荷物を玄関先げんかんさきまで運ぶ必要もありません。車両も大型でなく、ワゴン車サイズです。「女性や高齢者こうれいしゃなど、幅広はばひろそうの人たちをドライバーとして雇用こようできるようになります」と畠山さん。

 実用実験は今年度まつまで行い、利用者の声を聞いて、サービスの改善かいぜんにつなげていくそうです。現在はヤマト運輸のドライバーが運転していますが、将来的しょうらいてきには無人自動運転車の導入どうにゅう視野しやに入れているそうです。とても便利なこのサービス。今後どのように展開てんかいしていくのか楽しみです。(高1・井上みつき、中3・福満愛可ふくみつあいか若尾美紀わかおみき記者)