言葉なきパフォーマンス

専門劇場 東京で7月オープン

  • オルタナティブシアターのこけら落とし公演「アラタ~ALATA~」の舞台(通しげいこ)
    オルタナティブシアターのこけら落とし公演「アラタ~ALATA~」の舞台(通しげいこ)

 東京・有楽町に7月、ノンバーバル(非言語)でのパフォーマンス専門の劇場がオープンしました。訪日外国人を主なターゲットにしていると聞き、どんなところか行ってみました。また、劇場を運営する会社、スタジオアルタの田沼和俊社長に、お話を聞きました。

 私たちが、この「オルタナティブシアター」をおとずれたのは夏休みの3連休初日れんきゅうしょにち座席ざせきはほぼ満員まんいんで、親子れや外国人観光客かんこうきゃく姿すがたも多く、ロビーでは様々さまざまな言語がっていました。

「2020年の侍」 訪日外国人たちを魅了

 こけら落とし公演こうえんの「アラタ~ALATA~」を見ました。2020年の東京にタイムスリップした戦国せんごく時代のさむらいアラタが、こころという女性じょせいと出会い、一緒いっしょ怨霊おんりょうたたかう物語です。

 はじめに女優じょゆうさんが、上演中のマナーについて、コミカルなマイムで言葉を使わずにつたえ、舞台ぶたいへの期待が高まりました。そして、大音響だいおんきょう強烈きょうれつ照明しょうめいの光とともに舞台が始まりました。

 迫力はくりょくのある演技えんぎ、音楽、ダンス、殺陣たてで物語に一気に引きまれました。特に、70分間の公演で様々さまざまなジャンルのダンスをおどりこなすパフォーマンスには、すっかり魅了みりょうされ、またそのスタミナにおどろきました。

 アラタが、現代げんだいの日本のハイテクトイレの使い方が分からずあわてるユーモラスな場面にわらい、はげしい戦闘せんとうシーンと、その合間の一瞬いっしゅんけんが止まった時の静寂せいじゃくにぞくぞくしました。

 ワイヤを使ったアクションで客席の上でもパフォーマンスがり広げられたり、通路を使って役者さんがけたりと、舞台だけでなく360度どの方向も目がはなせない、劇場全体が一体となった公演でした。

  • 子どものころ、テレビの公開収録を見に行き、「生もの」の面白さに目覚めたという田沼さん  撮影・大石健登
    子どものころ、テレビの公開収録を見に行き、「生もの」の面白さに目覚めたという田沼さん  撮影・大石健登

 この事業を行うスタジオアルタは、新宿しんじゅくで「笑っていいとも!」というテレビ番組の公開収録しゅうろくをするスタジオを運営していました。その人気番組が3年前に終了しゅうりょうし、「『今度は世界を笑わせよう』と、この劇場を始めた」と、田沼さんは言います。

 「海外からの観光客がえている中、かぎられた時間で手軽に楽しめる場所が少ないと考えていました」と田沼さん。新宿から、劇場がならび、外国人観光客も多い銀座ぎんざ・有楽町エリアに進出をたしました。

 「子どものころ、テレビの公開収録をよく見に行っていた」と話す田沼さん。「生ものを見る」面白おもしろさにこだわり、「演じる人のあせも見える距離きょりに」と、約450人収容しゅうようのミニシアターになっているそうです。

 劇場の名前には、社名の「アルタ」の語源ごげんとなった「オルタナティブ」という語がつけられました。「既存きそんのものにとらわれない」という意味が込められているそうです。「ノンバーバル」という、新たなジャンルへの挑戦ちょうせんにかける決意を感じました。(中3・若尾美紀わかおみき斉田歩さいたあゆむ、中2・岩瀬周いわせあまね記者)