ミュージカルで心温かく

子どもを 招待 しょうたい してくれる 劇団四季 げきだんしき 舞台 ぶたい について知りたい!

 演劇えんげきを通じて全国の子どもたちに思いやりの心や命の大切さなどをつたえようと、劇団四季げきだんしき一般財団法人舞台芸術いっぱんざいだんほうじんぶたいげいじゅつセンターが企業きぎょう団体だんたい協力きょうりょくて行っている「こころの劇場げきじょう」事業が始まって、今年で10年。その舞台ぶたい鑑賞かんしょうし、わたしたちも大切なことを教わりました。

離島も訪ねて

  • ジュニア記者の取材を受ける、マジョリン役の志賀ひかるさん(左手前)と劇団四季専務の越智さん(同奥)
    ジュニア記者の取材を受ける、マジョリン役の志賀ひかるさん(左手前)と劇団四季専務の越智さん(同奥)

 劇団四季専務せんむ越智幸紀おちこうきさん(50)によると、子どもたちに舞台を見てもらう事業は、実は1960年代から行っていました。ただ、主要しゅような都市しか巡回じゅんかいしておらず、離島りとうふくむ全国各地かくちを回るようになったのは、2008年に「こころの劇場」が始まってからだそうです。「将来しょうらいの日本を作る全国の子どもたちに、本物の舞台を通じて生きるうえで大切なメッセージを伝えたい」と越智さんは話します。

 公演こうえんは、主に小学6年生を学校単位たんい無料むりょう招待しょうたいして行われます。演目は、「ガンバの大冒険だいぼうけん」「王子とこじき」などがあり、この10年間で537万人の子どもたちが舞台を楽しみました。今年度は「魔法まほうをすてたマジョリン」と「王様の耳はロバの耳」の2作。1年かけて北海道・利尻島りしりとうから沖縄県おきなわけん石垣島いしがきじままで全国180都市以上いじょうを回り、やく56万人の子どもたちが観劇かんげきする予定です。

一緒に歌おう

 今回私たちが見たミュージカル「魔法をすてたマジョリン」の主人公は、魔女の女の子マジョリン。魔女の世界では、人間をこまらせたり、あらそわせたり……と悪いことをするのがいいこととされています。けれど、マジョリンは人間と出会ってそのやさしさにれ、あいや思いやりの心を学んでいきます。

 観劇中は、すぐ近くの通路を俳優はいゆうが歩いてきたり、客席きゃくせきから登場したりするので、目がいくつあっても足りません。次から次へといろんなことが起こり、ハラハラドキドキ……。最後に舞台と客席が一緒いっしょになって歌い、悪い魔女をやっつけたときには、私たちもマジョリンの仲間なかまになったような気がしました。終演後には、ロビーで俳優たちが握手あくしゅやハイタッチで見送ってくれ、一生心にのこ体験たいけんになりました。

  • 「魔法をすてたマジョリン」の1場面。中央の女の子が、志賀さんが演じたマジョリン(撮影・阿部章仁)
    「魔法をすてたマジョリン」の1場面。中央の女の子が、志賀さんが演じたマジョリン(撮影・阿部章仁)

 マジョリン役の志賀しがひかるさんは、公演先はなかなか演劇を見る機会きかいがない地域ちいきもあるので、「子どもたちにとって人生ではじめてのミュージカルになるかもしれない。大切に作品をとどけて、ミュージカルの楽しさを伝えたい」という思いをめて演じているそうです。そして、子どもたちが「細かいところまで見ていて直接ちょくせつ感想を言ってくれるのがうれしい」と笑顔えがおで話していました。

 志賀さんは、小学1年生のときに劇団四季の「ライオンキング」を見て感動したと言います。越智さんは、志賀さんのように舞台の楽しさに触れて「自分も目指したいという人が出てくれたら」と期待きたいしています。

 「マジョリン」で私たちが体験したように、舞台を通じて「心のぬくもりを分け合いましょう」と志賀さん。事業にかかわる人たちのあつい思いに触れて、私たちの心もほっこりと温かくなりました。(中3・伊東志穂菜いとうしおな、小6・杉本麻衣すぎもとまい、小5・岩瀬慧いわせけい記者)