本と出会う「総選挙」

全国の小学生が選んだ人気の本について知りたい!

 全国の小学生が計やく13万ひょうを投じたはじめての「“こどもの本”総選挙そうせんきょ」の結果けっか発表会が先月、東京都荒川あらかわ区立図書館「ゆいの森あらかわ」で開かれ、1位に『ざんねんないきもの事典じてん』(今泉忠明いまいずみただあき監修かんしゅう)が選ばれました。入賞作にゅうしょうさくの原作者もけつけた注目イベントを取材しゅざいしました。

楽しみ方は色々

  • お笑い芸人で作家の又吉直樹さん(東京都荒川区で)
    お笑い芸人で作家の又吉直樹さん(東京都荒川区で)

 発表会は、両側りょうがわ壁一面かべいちめんに絵本がなら部屋へやで行われ、かく入選作に投票した子どもの代表も参加さんか。スクリーンにベスト10の作品が10位から順番じゅんばんうつし出され、司会者しかいしゃが、おわらいタレントで作家の又吉直樹またよしなおきさんととも紹介しょうかいしていきました。

 10位は『りゆうがあります』で、親がいやがる子どものクセについて解説かいせつする絵本。子ども代表が「私もストローをかむ『ストローガジガジコンテスト』で優勝ゆうしょうしたい」とコメントすると、作者のヨシタケシンスケさんは「やってみたいと思ってもらえることが一番うれしい」と笑顔になりました。4作品がベスト10入りしたヨシタケさんは「どの世代にも面白おもしろいと思ってもらえるネタをんでいる」と話しました。

 8位は、10作品の中で一番古く、30年以上いじょう前に書かれた『ぼくらの七日間戦争せんそう』。著者ちょしゃ宗田理そうだおさむさんが登場し、「今も昔も、子どもの思っていることはわらない」と満足まんぞくげでした。

 1位と、4位の『ぞくざんねんないきもの事典』を監修した動物学者の今泉忠明さんはにこやかに舞台ぶたいあらわれました。「イルカはねむるとおぼれる」など、動物の気のどく特徴とくちょうを紹介する内容ないようについて、「欠点けってんとみるかユニークとみるか、色々な楽しみ方がある」とかえりました。

 又吉さんはトークで場を盛り上げ、「この総選挙を新しい本との出会いのきっかけにしてほしい」と会場の人々に語りかけました。会の終了後、又吉さんに話をうかがいました。

「再会」で再発見

 又吉さんが小学生のころ、好きだった本はなんと「国語辞典じてん」。「何げなく使っていた言葉の、本当の意味がわかるから」だそうです。「子どもの時に読んだ本を、大人になってもう一度読むと、以前はわからなかったことや面白くなかったことも理解でき、ちがう感想を持てますよ」と、一言一言考えながら語ってくれました。

 自分だったら投票するのは、同じお笑いタレントの西野亮廣にしのあきひろさんの人気絵本『えんとつ町のプぺル』(幻冬舎げんとうしゃ)だそうです。「きれいな世界と同時に、しんどい人がいることから目をそらしていない絵本」と、高い評価ひょうかでした。

 このイベントは、児童書じどうしょ大手のポプラ社(東京都新宿しんじゅく区)の創立そうりつ70周年しゅうねん記念きねんして企画きかくされました。事務局長じむきょくちょうの児童書事業局、岡本大おかもとだいさん(27)は「1万票も集まればいいと思っていたら、全都道府県とどうふけんから計12万8055票も集まり、おどろきました」。

 100位までには、みんなが知っている作品がずらり。岡本さんは、印象的いんしょうてきな作品として、1974年に初版しょはん刊行かんこうされた99位の『おしいれのぼうけん』(童心社どうしんしゃ)をげ、「本は時代をえるとわかった」と話します。この賞が一度きりでなく、継続けいぞくできるよう力を入れるそうです。

 ランキングの中に好きな本があると、それを読んだ時の感動がよみがえり、知らない本からは、小学生の間で読まれている本の流行を感じることができます。親子でこの総選挙について話してみてほしいです。

 (高1・若尾美紀わかおみき、中3・岩瀬周いわせあまね、小6・本谷理彩もとたにりさ記者、撮影さつえい西孝高にしよしたか