平和な時代 広がる「お城愛」

横浜で展示やワークショップ 保護のため各地で工夫

  • ワークショップで城のイラストに挑戦
    ワークショップで城のイラストに挑戦
  • 加藤さんから城絵図の解説を受ける
    加藤さんから城絵図の解説を受ける

 展示てんじやワークショップなどを通じて日本のしろに親しめるイベント「お城EXPO2017」が先月、パシフィコ横浜よこはま(横浜市西区)で開かれました。様々さまざま角度かくどから城にふれ、その世界を堪能たんのうしてきました。

明治初期の絵図

 一昨年いっさくねんつづき、2回目の開催かいさいとなる「お城EXPO」。しずかな熱気ねっきのただよう会場を、日本城郭協会じょうかくきょうかい理事の加藤理文かとうまさふみさんに案内あんないしてもらいました。

 イベントの目玉展示の一つが、明治初期めいじしょきに作られた城絵図です。城は明治維新いしんの後、その役割やくわりうしないました。当時の陸軍省りくぐんしょうは全国の城を調べ、絵図を作りました。それをもとに、軍の施設しせつや学校など、新たな使い道を考えたのです。

 絵図は19点展示され、石垣いしがき配置はいちや地形をいたもの、建物たてものの間取りや周囲しゅういの木までくわしく描いたものなど様々です。城の土地だけを使うのか、建物も生かすかなど、その後の使い道によって絵図の描かれ方もことなりました。

 加藤さんは、「明治の混乱こんらんした社会では、文化財ぶんかざいとして城を保存ほぞんするという考えがありませんでした。社会に余裕よゆうがないと文化財という概念がいねんは生まれないのです」と話します。のこされた城が文化財として今後も保護ほごされるよう、平和な社会を守りたいと思いました。

熊本城の復興も紹介

  • 会場に展示された城の模型
    会場に展示された城の模型

 ほかにも、2016年の地震じしんで大きな被害ひがいを受けた熊本くまもと城の復興状況ふっこうじょうきょうを知ることができる展示もありました。

 また、城めぐりに役立つ観光情報かんこうじょうほう紹介しょうかいしているコーナーも。城がある自治体や関係団体ごとにブースが並び、各地かくちのご当地キャラの着ぐるみが愛嬌あいきょうをふりまいていました。

 私たちは岐阜県可児市ぎふけんかにしの金山城をPRするブースをのぞいてみました。クリアファイルや家紋かもんバッジなどは、草刈くさかりなど城あとの維持に使われる「協力金」を出すと、もらえるそうです。城を守るにも、様々な工夫くふうがされていることを知りました。

 会場では、ワークショップやセミナーが開催されており、私たちは、「お城イラストの描き方」というワークショップに参加さんかしました。イラストレーターの香川元太郎かがわげんたろうさんに、城の描き方を教わりました。

 まず、天守やその他の建物の位置など、城全体の配置を上からとらえた「縄張なわばり図」を描きます。次に、細かい線を使って地形を表現ひょうげんします。最後に建物を描き込んで完成かんせいです。

 香川さんは「石垣は反っているので、下の石ほど大きく描くようにすると、よりリアルに見えますよ」と教えてくれました。根気のいる作業ですが、城の形がかび上がってきた時のよろこびはひとしおでした。

【取材後記】物語も魅力 精巧模型に驚き

◇高2・ 中川真由紀 なかがわまゆき 記者

 日本各地の城が、今なお地元の人々にあいされ、大切にされているということを展示や会場をおとずれたファンの様子から感じました。天守閣てんしゅかくのかっこよさや美しさだけでなく、城が持つ物語も魅力みりょくのひとつだと知り、それぞれの城で起こった出来事を調べてみたくなりました。

◇高1・ 木下純一 きのしたじゅんいち 記者

 展示の中でも、全国の城の模型もけいに目をひかれました。石垣には木片もくへん、屋根とかわらには竹ひごやだんボールを使うなど、身近な材料ざいりょう精巧せいこうに再現していることにおどろきました。構造こうぞうや大きさなど、城ごとのちがいがよくわかり、城への興味きょうみ一層いっそうしました。

◇中3・ 若尾美紀 わかおみき 記者

 歴史れきしの教科書にはのっていないような知識ちしきることができ、城には色々いろいろな楽しみ方があることを知りました。まずは自分が興味を持ったことを手がかりに、城の歴史をより深く知っていきたいと思いました。

(ヨミウリ・ジュニアプレス取材団しゅざいだん撮影さつえい大石健登おおいしたけと