「孤立ゼロ」へ知恵絞る 記者が出前授業

「考える力」育てる

 「正解のない問題に取り組む力」が日本の教育界で注目を集めています。厳しい国際競争を生き抜いていくためには、主体的に考え、判断できる力が必要との考えからです。しかし、学校関係者のみなさん、どうでしょうか? どんなテーマで授業をすればよいか、悩むときはありませんか? 10代のための総合紙「読売中高生新聞」は、中高生が「正解のない問題」に挑戦する様々な取り組みを展開しています。

「孤立ゼロ」へ 知恵絞る

 10代のアイデアで日本の未来を変えていこう――。読売中高生新聞はこの秋、日本政策金融公庫との共催で、「中高生未来創造コンテスト」を開催しています。

 募集テーマは「社会から“孤立する人”をなくそう!」。読売新聞朝刊社会面の大型連載「孤絶 家族内事件」と連動した企画で、老老介護や児童虐待、ひきこもりの問題など、人と人、人と地域のつながりが希薄化した今の日本で起きている諸問題を解決するためのアイデアを募ります。

本紙連載教材に記者が出前授業

 コンテスト開催にあたり、編集室では9月、桜蔭中学・高校(東京)と同志社中学校(京都)で、孤立社会・日本の現状を考える出前授業を実施。両校の生徒は自分の身の回りの出来事に置き換えつつ、活発に意見を交わしていました。

桜蔭中学・高校 「人ごとでない」実感

  • 出前授業に聞き入る生徒たち(東京都文京区の桜蔭中学・高校で)
    出前授業に聞き入る生徒たち(東京都文京区の桜蔭中学・高校で)

 5日に授業が行われた桜蔭中学・高校では生徒有志計32人が参加。講師役は「孤絶 家族内事件」を取材・執筆する読売新聞東京本社社会部の小田克朗記者が務め、介護殺人など「孤立」が原因で起きる事件の現状や、取材した事件当事者の思いなどを紹介しました。

 その後、生徒たちは4班にわかれ、約30分間のグループディスカッションを行い、孤立した人たちを救うアイデアについて、話し合いました。

 高齢者がネット上で交流できるアプリの開発、定年退職後の男性対象の地域の料理教室――。各グループは短時間でそれぞれ具体的なアイデアにまとめ、発表を行いました。

 授業を通して、生徒たちは「孤立」問題が自分たちのすぐ身近にあることに気づいたようです。高校2年でボランティア部の生徒(17)は「今まで全く気にしたことがなかったけど、改めて自分の身の回りを見つめ直すと、親族にも一人で暮らしている人がいると気づいた。一人一人が、まわりの人たちに寄り添う気持ちを持つことが大事だと思った」と真剣に語ってくれました。

同志社中 「若者も孤独」驚き

  • 生徒に説明する小田記者(右)(京都市左京区の同志社中で)
    生徒に説明する小田記者(右)(京都市左京区の同志社中で)

 同志社中学では13日、3年生の2クラスで出前授業が行われました。

 生徒会長(14)は、「孤独を感じる」という日本の15歳の割合が、イギリスなど欧州諸国と比較するとかなり高いというデータに驚き、「世の中だけではなく、学校内でも輪の中に入るのが苦手な子もいる。学校としても、こうした現状をどうしたら変えられるのかを考えることも必要だと思った」と話していました。

 同志社中では、今回の出前授業をビデオで撮影し、全8クラスの社会の授業で映像を流して学んでもらうそうです。

◆中高生未来創造コンテストの開催概要はこちら