経済

ハウス食品が米国で「豆腐バー」を売り出したわけ

読売新聞専門委員 東一真
  • ハウス食品が米国で売り出した豆腐バー「GO UMAMI」
    ハウス食品が米国で売り出した豆腐バー「GO UMAMI」

 ハウス食品は今月から米国で、パッケージから出してそのまま食べられるスナック風の「豆腐バー」を売り出した。なぜ「カレーのハウス」が米国で豆腐バーを売るのだろう?

 ハウスの米国での主力事業は、意外なことに豆腐だ。昨年度(2016年3月期)の米国事業の売上高は107億円だが、このうち豆腐事業が96億円と大半を占める。今年度(17年3月期)は2億円増の98億円を目指している。

 ハウスは1983年、日系人がロサンゼルスで経営していた豆腐工場に資本参加し、米国の豆腐事業に進出した。93年には合弁企業をハウスの100%子会社とした。健康志向を追い風に豆腐需要が拡大したのを受け、2006年には東海岸のニュージャージー州にも豆腐工場を建設し、現在は全米で「HOUSE TOFU」を売っている。

 「HOUSE TOFU」は、米国人消費者の嗜好(しこう)に対応するために、絹ごしよりもさらに軟らかいものから、ステーキにして食べる硬いものまで、6段階の硬さを用意している。軟らかいものは果物やジャムなどとミキサーで砕いてスムージーにして飲むなど、日本とは別の調理法で使われることもあるという。

 米国の豆腐市場では、韓国資本、それにハウスなど日本資本や、中華系資本の会社がしのぎを削っている。アジア系米国人の増加で市場は徐々に伸びているが、非アジア系の人々の間では需要が伸び悩んでいる。

 そこで、「豆腐バー」を売り出すことで、これまで豆腐に馴染(なじ)みの薄かった非アジア系の米国人にも手軽に豆腐を味わってもらい、市場拡大の起爆剤にしたい狙いなのだ。

 ハウスが今月発売した豆腐バーの名前は、「GO UMAMI」。「これまでの豆腐の概念を覆す、味付きのハンディーサイズの豆腐バーであることをあらわしたネーミング」(ハウス食品広報)という。

 1本が、28グラムで99セント(税別)。スタンダードの塩味、スモーク味、オレンジ・テリヤキの3つの味付けがある。冷蔵庫で保存すれば賞味期間は65日。「イメージとしては新幹線の売店で売っている笹かまぼこのようで、表面が若干湿っています」(ハウス食品広報)。食べてみたい気もするが、日本での販売予定はないそうだ。

【あわせて読みたい】
イグノーベル賞が生んだ「涙の出ないタマネギ」
グリコのビスコが本棚に並んだりするデザイン展
日清食品、モンスター社員を解放して費用削減?
「キットカット大国」日本、輸出に乗り出す