スポーツ

自分の可能性 追求を…全国高校総体2017

競泳100背五輪「金」…スポーツ庁長官 鈴木大地さん

  • 「エースではなくても、スポーツを継続することに価値がある」と語る鈴木長官
    「エースではなくても、スポーツを継続することに価値がある」と語る鈴木長官

 全国高校総体の開催に合わせ、1988年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎで金メダルに輝き、2015年10月からスポーツ庁で、競技力の向上、健康増進に向けてリーダーシップをとる鈴木大地長官(50)に、スポーツに取り組む高校生たちへのメッセージを聞いた。

経験が人間的魅力に

 全国高校総体は、「高校生の五輪」といった感じで、私にとっても特別な大会だった。

 千葉・市船橋高時代は水泳部に参加し、夏に学内で合宿したり、10月に寒い中、泳いだりした。練習拠点にしていたスイミングクラブと合わせて、1日5回練習した時もあった。仲間と泳ぐのは特別に楽しくて、一体感があった。競泳は個人競技だが、学校として戦っている意識が持てて、2倍楽しめた。

 高校スポーツはこれまで、日本の競技力向上に貢献してきた。気になる点は、競技によって競技者数に偏りがあることだ。東京五輪は30競技を超えるが、日本が金メダルをとれる得意競技は限られている。国際舞台で戦える日本人を増やすには、高校レベルから多くの競技に挑戦してもらうことだ。

 皆さんの多くが、高校総体で頂点に立つ夢を持っているだろう。しかし、ここだけをゴールとするのはもったいない。もし、「別のこの競技のほうが向いているかも」と思ったら、果敢にチャレンジし、自分の可能性を追求してもらいたい。

 スポーツ庁の中学生を対象とした調査で、部活動に参加したいと思う条件を尋ねると、「自分のペースで行うことができる」と答えた女子が50・5%もいた。もう少しゆるやかに、仲間づくりや思い出づくりになるような部活、美を保つためのフィットネスジムのような感覚の部活、ダンスのようなエンターテインメント性が高い部活があってもいい。楽しんで、スポーツのファンになってもらうことも大事だ。

 部活を続けていく中で、うまくいかないことはたくさんある。だが、そのような経験をしている人のほうが、人間的に幅が広くなって魅力的だ。自分が一番でないかもしれないし、エースではないかもしれないが、スポーツをしていることに意味がある。(聞き手・上田真央)