国際

メキシコ海軍帆船が東京湾に…10日まで船内公開

読売新聞国際部 安田信介

憲法制定100年、世界を記念航海

 メキシコの憲法制定100年を記念し、世界を航海しているメキシコ海軍の練習帆船「クアウテモク」が6日、東京湾の晴海ふ頭(東京都中央区)に寄港した。10日まで船内を無料で一般公開する。

 1821年にスペインからの独立を達成したメキシコでは、19世紀末、当時のディアス大統領による独裁政権下で、農民たちが代々、管理してきた土地を政府が接収し、外国資本に売り渡すなどしたため、貧富の差が拡大した。

 武力蜂起した自由主義者マデロが1911年、ディアス政権を倒したが、その後も政情は安定せず、内戦が続いた。マデロの支持者だったカランサが混乱を収拾し、大統領に就任。17年、労働者の権利や政教分離を定めた民主的な憲法が制定され、内戦は終結した。

 今回の航海は、82年にスペイン北部のビルバオで建造されたクアウテモクの就役35年を記念したものでもある。クアウテモクは、16世紀まで現在のメキシコ中央部にあったアステカ王国の最後の皇帝にちなんで名付けられた。

 同船は3本マストで全長約91メートル、排水量約1800トン。乗組員は233人で、うち42人が海軍士官候補生だ。今年2月にメキシコ南部アカプルコを出発し、米国やヨーロッパ、アジアなどの12か国の15港に寄港した後、11月にメキシコに戻る予定。

 6日午前、東京湾に入ったクアウテモクは、海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」に迎えられ、晴海ふ頭で歓迎セレモニーが行われた。

 同船のラファエル・ラグネス艦長によると、航海ではさまざまな訓練を通じ、体力だけでなく、水兵としての精神や連帯感が養われるという。艦長は「日本について知るとともに、メキシコの文化なども日本の人たちに伝えていきたい」と話している。同船は11日まで停泊する。

 一般公開は10日までで、午前10時~午後6時。問い合わせは在日メキシコ大使館(03・3581・1131)。