メディア環境研究所

リアルを求める若者たち…メディア環境研究所(後編)

中編から続く)

スマホ全盛期でも活躍できる

――それにしても今回の調査結果では、生活者の意識が大きく変化しています。この手の調査でこれほど数字が動くことは、あまりないのではないですか?

  • 「オンラインやモバイルとどう合わせるかを考えるべき」
    「オンラインやモバイルとどう合わせるかを考えるべき」

 こんなに動くことは珍しいですね。モバイルが登場する前は新聞やテレビに対するイメージはずっと動かない状態でした。それが、スマホの登場で数年かけて大きく落ち込み始めたのは先にお話ししたとおりです。それが、1年で急にふっと上がりました。

――新聞もテレビもラジオも雑誌も、スマホ全盛期に自信をなくしかけていた側面はあると思います。「モバイル時代に自分の出番はない」と感じていた部分もあると思いますが、まだまだ4媒体が自分たちのイメージを使って活躍する場はあるということですか?

 あるんですけれど、情報の届け方の問題は残ります。紙だけで届ければいいのではなくて、オンラインと合わせてどう届けるかとか、モバイルと合わせてどう届けるかとか。そういうふうに考えないといけません。

「紙で出ている」という信頼感

  • 「新聞やテレビが必死で考えなければならない」
    「新聞やテレビが必死で考えなければならない」

――「この先は自分たちのビジネスなので、新聞やテレビが必死で考えなさい」ということだと思います。

 そうなんです。先ほど話したように、スピード感とか信頼性みたいなことをかけ合わせると、新聞でいうと号外もその一つかもしれません。朝に網羅的にチェックして、夜にじっくり読むというような習慣づけも、新たな新聞の読み方の提案になるかもしれませんし、新聞が持っているイメージを使えばできることですよね。

――スマートニュースはまさにそれをやりました。プッシュ機能使って、号外を出していく。スマートニュースをダウンロードしていたら、最新のニュースがすぐに手元に届く。これも、そうした処方箋のひとつと言えますか?

 スピード感でいうと、プッシュ通知による号外機能はそうかもしれません。ただし、ネットの情報に対する信頼が揺らいでいるときに、「本当にリアルなのかどうなのか」という感覚はあると思います。

 結局、号外を手にした人はSNSにアップするんですよ。プッシュ機能で届いたニュースも拡散されるでしょうが、もともとは新聞社が発行する号外で、ちゃんと紙で出ているんだということで、より信頼性をもって拡散されている気がします。それが「スピードだけではない」ということだと思います。